閑馬の庚申山

イメージ 1

 作業に追われて、閑馬の地域探訪が進みませんでした。
 この地に来た1年5か月前から、登ってみた小山がありました。
 その小山は「千体庚申山」です。
 石造物など調査研究されている方々には、結構有名な山なのです。
 県道66号線沿いの閑馬地内、JA佐野愛村支店の駐車場に車を置かせていただき、庚申山を目指して歩き始めました。
 閑馬駐在所前を通り、西に進みます。山裾に入る道が分かりにくいですね。
 空き家のような家の脇から、細い野良道に入ります。曲がりくねったあぜ道を進み、山の入り口に立ちました。
 石柱には千体庚申山とあります。 
イメージ 2

 石柱の後方に大型の庚申塔天保十亥(1839)年三月吉祥日」。ちょうど180年前に建てられたものです。
 標高は171m。確かに小さい山ですが、山頂までほぼ真っすぐ登る参道です。 
 小石の上に落ち葉が積もり、登りにくく、杖を置いてきてしまったことが悔やまれました。参道の両脇の小木につかまりながら、登ります。
 参道両脇の庚申塔は小さいものが多く、小さな長円型の自然石に「庚申」の文字が刻まれています。建てたというより、そこに置いたのでしょう。
 所要時間15分ほどでしたが、久し振りの山登り(ちょっと大袈裟ですが)に息が上がりました。
 頂上は木々に囲まれた平坦地になっています。庚申塔青面金剛の石碑が多数並んでいます。
イメージ 3

 田沼町史の「民間信仰石造物」の章の「庚申塔」項に記されている塔数に驚きます。3,479塔です。その中でも庚申山が最も多く1,244塔です。
 庚申信仰は全国にありますが、これほど多くの庚申塔が建てられた背景を知りたいと思いながら、下山しました。